地産地消ヴィーガンポップアップと日本の麹/ベルリン

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イスラエル出身のシェフ、オマー•マンティンとイド•アルハシィドがベルリンのジャパニーズバーShizuku.で催したザ•アルケミストキッチン。地元食材にこだわり、ゆっくりと丁寧に調理された8コースからなるヴィーガンポップアップについて紹介したいと思う。

アルケミストキッチンフライヤー

日本では麹と聞くとまず思い浮かぶのが米麹だが、彼らが使用したのは
ドイツ産の蕎麦の実麹とオート麦麹だ。実はこれらは私の手作りで、オーガニックでドイツ産の物を使って初めて作ってみた。

蕎麦の実麹

日本の発酵食品である麹を、彼らが日本人とは全く違った発想でオリジナルの料理へと変えていく。コールラビと蕎麦の実麹を使った一品は、コールラビの通常食べる部分のみならず、煮出した葉、皮、茎などでソースやオイルを作り、麹はクリームソースにするなど、時間をかけた丁寧な調理工程を経て出来上がる、まさにアルケミスト•錬金術師の魔法で出来たようなものだった。

コールラビ

熟す前のグリーントマトのピクルス、生のゴールデンベリー、乳酸発酵トマト水、乾燥させたエシャロット、発酵エシャロットパウダー、ヒソップと言う香味ハーブオイルを使ったこの一皿には色んな味が散りばめられており、トマトと言うポピュラーな野菜が何か新しいものに変えられたようだった。

トマト

普段、脇役にまわりがちの野菜達が彼らの魔法にかかると、主役となってキラキラと輝く。どんなパーツも大切に調理し、味、見た目、香りなど総合的に愉しめるアートを繰り広げるザ•アルケミストキッチンの次回のポップアップは今月29日にShizuku.で行われる。秋冬の地元食材を使ってどんな素敵な魔法をかけるのか、私も麹作りを始めながら、楽しみに待つとしよう。

オマーとイド

The alchemist kitchen berlin

Shizuku.

Text & Photo by Yuka Sagai