スナック=ジャンクをくつがえす発想。オランダの国民食、フリッツもBIOで!
all photo by Koki Takahashi
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揚げたてのホクホクカリカリのフライドポテト(フリッツ)は、オランダでは子供から大人までみんなに愛されている国民食。農業大国、オランダの中でも一番多く作られている野菜は、ダントツでジャガイモなんだそうです! オランダ人は、年間ひとり約90kg以上(2011年)のジャガイモを消費しており、日本人の米にあたる大事な主食がジャガイモなのです。
そんなフリッツショップの中でも、オーガニックのお店を紹介していきます。
2008年にウェスト地区にオープンしたオーガニックのスナックバー、Biologische cafetaria Natuurlijk Smullen。アムステルダム中央駅からはバスで西へ10分強、旅行者もちらほら訪れますが、多くの地元客がこの店を支えています。
もともとフリッツもスナックも大好きだったオーナーのヘイレン・ヘウルさん。でも、冷凍の大量生産ものは嫌いで、安全性や動物の権利の観点から、オーガニックのものだけ食べていたそうです。なかなか自分が安心して食べられる場所が少なかったため「それなら自分でやってしまおう!」 とこの店をオープンすることにしたそうです。
この店のフリッツのおいしさの秘訣をたずねたところ「つべこべ言わずに、まず食べてみればわかるわ!笑」ということなので、早速試食してみました。
オーナーのヘイレンさんはジョーク好きでお店のムードメーカー。
揚げ油のひまわり油ももちろんオーガニック。夕方に来店しましたが油も新鮮で、ベイクしたものかと思うほど油っぽさを感じませんでした。スムースな口触りでイモのおいしさが堪能できます。
0.65ユーロでビオのマヨがつけられるだけでなく、ヴィーガンマヨも選べます。コーラやジンジャービアもオーガニック。ジャンクになりがちなコンビネーションもオーガニックなら罪悪感が減っちゃいます…
ストレスの少ない動物をいただく
肉製品も扱っていますが、オーガニックのもので、ケージの中でなく野外でのびのび育っているものを使っています。
「私はベジタリアンでなく肉も食べるけど、動物にも権利があると思うの。のびのびと、健康的な食べ物を食べて、ストレスなく生きる。そうやってストレスなく生きた動物の肉をいただくことは、人の身体にとってもいいこと」とヘイレンさん。これも、人権や命を尊重することを原理とする国オランダらしい発想だなと感じました。
ヴィーガン製品も充実
動物性のものを使っていないメニューもあるため、ベジタリアン、ヴィーガンの人もよく訪れます。ヴィーガンバーガーだけで、ファラフェルやレンズ豆を使ったものなど3種類もあるそうです。各5.25ユーロ。
寿司もいらない?自家製の海藻コロッケ
フリッツだけでなく、コロッケやハンバーガーなどのメニューもありますが、特に気になったのが「寿司も要らない」 と説明書きのある海藻コロッケ。
早速試食してみると…海藻の正体はひじき。メニューは、日本語のできるお客さんが書いてくれたそう。
ハンドメイドのひじきコロッケは、エビクリームをベースにひじきがふんだんに使われていて栄養豊富。オリジナルのワサビソースともよく合います。
オバマ大統領来店やトランプバーガーも?!
壁には「オバマ前大統領が来店した」時の写真や、メニューには「トランプバーガー」なるものを発見!
ヘイレンさんに問いただしてみると「どちらもジョークよ!」と笑い飛ばされました。
トランプバーガーは、1個15ユーロと高い値段設定になっており、政治的なメッセージが込められています。店内には、このようにヘイレンのユーモアが溢れています。
トランプバーガーのメニューには、政治的な批判のメッセージが添えられている。1個15ユーロのうち2ユーロが、アムステルダムのフードバンクに寄付されます。
「この店は、これから世界が進むべき方向を向いているし、ここの食べ物も、お客さんも最高。それに囲まれてる幸せな毎日。それがあたしなの」とオーナーのヘイレンさん。スタッフはみんな、家族のように仲がいいんです。
Biologische cafetaria Natuurlijk Smullen
Jan van Galenstraat 78, 1056 CD Amsterdam
+31-(0)20-779-0245