奴隷問題から生まれたチョコレート TONY’S CHOCOLONELY
オランダのどこのスーパーでも、派手なパッケージで一際目立つチョコレートがTONY’S CHOCOLONELY。他のチョコレートの3倍近い値段(€3.05~) なのに、人気があるのには理由がありました。
それは児童奴隷を使わずに、カカオ農家に公正な価格を支払うことで「Slavery- free/ 奴隷労働者を使わないー」チョコレートを生産しているからです。
2002年、オランダ人ジャーナリストのTeun (Tony) van de Keukenは、今だに奴隷労働者が存在し、世界の半分以上のカカオ生産は児童奴隷によるという苛酷な状況に衝撃を受け、問題提議として、”児童奴隷を使ったチョコレートを食べた罪”として自身を告訴するも、不起訴処分とされてしまいます。
次に「児童奴隷が栽培に関わったカカオを使用しない」というアイデアを大手チョコレート会社に持ちかるも、低賃金の子供の労働力を使わなければ、カカオの値段が上がることを恐れて、どの会社も提案を受け入れる事はありませんでした。
そして2005年、Tony自らがチョコレート会社を設立し、Slavery- freeチョコを5000個製造し完売。社会問題にも切り込んだ話題性もあり瞬く間に人気となりました。
2015年にはアメリカにもオフィスを構え、2018年には日本でも発売が開始されるとの事。
アムステルダムのWesterparkにはTony’s Chocolonely専門店とヘッドオフィスがあります。
遊び心溢れる店内ではスーパーでは手に入らない、フレーバーや限定商品、ドリンクチョコレート、Tシャツや、カタログの販売の他に、年間活動報告書は無料で配布されています。
チョコに使われているカカオ以外の材料(砂糖やナッツなど)もほぼ、フェアトレードやオーガニックのもので、世界中から取り寄せています。
TONY’Sの活動を伝えるキッカケになるポストカードを出す事も出来ます。50セント(送料込)
スローガンは “Crazy about chocolate, serious about people”.(チョコレートには夢中で、人には真面目に)
支払いはクレジットカード、デビットカードのみ。
Tony’s store
tonyschocolonely.com
Polonceaukade 12, 1014 DA Amsterdam
Photo & Text by クルクルインク
クルクルインク profile
グラフィックデザイナー、イラストレーターとして飲食関連のデザインも数多く手がける。
広島生まれ、東京、ロンドンでの生活を経てアムステルダムに移住して11年目。