ゴリラに風だけで走る帆船…チョコを通じて社会貢献するChocolate Makers
ゴリラや帆船のパッケージのチョコレートを、オランダへ来たことのある人なら、きっと見たことがあるかもしれません。
「豆からチョコレートバへ」をコンセプトにしたChocolate Makers(チョコレート・メーカーズ)は 2011年にアムステルダムでスタートしました。チョコへの純粋な愛情を持つオランダ人のRodney とEnverは世界中の優れたカカオを調査した結果、直接ドミニカ共和国、コンゴ、ペルーのオーガニックココア農家から直輸入し、アムステルダムで最高品質のチョコバーに仕上げます。
「ゴリラバー(€ 2.95)」に使われるカカオは東コンゴにある世界遺産のヴィルンガ国立公園から輸入しています。
そこにはマウンテンゴリラが住む最後の山があり、近年の人間による環境の破壊(ゴリラの虐殺)に対抗する目的で、公園の端でカカオのを栽培を始めました。つまりゴリラバーを購入する事はマウンテンゴリラを保護にも繋がるのです。
船が描かれた「トレスオンブレス・バー(€ 3.50)」は、世界で唯一のセーリング貨物船Tres Hombresを使って、ドミニカからカカオを輸送します。その貨物室は太陽エネルギーで冷却され、完璧な状態を保ったまま、アムステルダムの港に到着します。
到着したカカオは、ボランティアのカーボンニュートラルな乗り物(自転車、電気自動車等)によって工場まで運びこまれ、参加した人はチョコレートバーとラム酒1杯を受け取ります。(2017年は5月20日に開催)
「アワンジュ・バー(€ 3.50)」のカカオはペルーの北東のアマゾンの熱帯雨林のジャングルに住む、Awajun民族によって生産されています。元々彼らは狩猟民族で森林伐採や畜産などで生計を立てるしかありませんでしたが、カカオ栽培で収入を得る事で生活も変わり、結果熱帯雨林の保護にも繋がりました。
ゴミをゼロにする為に、植物材料の紙と、有機インクを使用したパッケージで堆肥可能になっています。工場では環境に優しいGreen Choiceの電力を使用、棚や家具などは中古品を使い、チョコレートの製造機までも中古品を組み合わせて、自作したものです。それは昔ながらのオランダの職人気質なチョコレートを取り戻したい、といという想いからでした。
持続可能な生産システムと、環境問題へも取り組みも評価され、2014 年にアムステルダムでお手本となるべき企業に贈られるDAM PRIJSを受賞。
Chocolate Makers
https://www.chocolatemakers.nl/
購入はオランダ、ベルギーのエコ系のお店か、オンラインで購入可能(発送はオランダ国内のみ)。
Author: クルクルインク
グラフィックデザイナー、イラストレーターとして飲食関連のデザインも数多く手がける。
広島生まれ、東京、ロンドンでの生活を経てアムステルダムに移住して11年目。
http://miyuki-okada.com/