ベルリンのソウルフード、ケバブがヴィーガン仕様に

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Vöner Berlin

ソーセージやアイスバインなど、元来肉をたくさん食べるイメージがあるドイツ。そんなドイツでは近年、特にベルリンを中心に肉や魚を食べないベジタリアンが増えています。ベルリンにはトルコからの移民が多く住んでいますが、トルコ発祥のドネルケバブをパンにはさんで提供するスタイルは、ここベルリンで生まれました。夜ほとんどの飲食店が閉まるドイツにおいて、唯一営業しているのがケバブショップだったりするので、ナイト・クラビングの心強い友でもあります。

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そんなケバブをベジ・ヴァージョンで提供する店が、2007年にオストクロイツにオープンしたヴォネルです。店主の知る限りでは、ヴィーガン仕様のケバブを出した最初の店とのこと。店名は、ドネルの頭文字“D”をベジタリアンの“V”に置き換えた造語。店にはおなじみの大きな肉の塊がクルクルとヒーターの脇で回っていますが、これは本物の肉でなく、小麦や大豆タンパクのグルテンをメインに野菜をブレンドして作られたもの。試行錯誤を重ねて改良されたもので、1つ作るのに6時間もかかるそうですが、今ではこのベジ肉の塊だけ頼まれて、レストランやフェスティバル、時に海外へ向けて販売することもあるそう。

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四角く切ったふかふかのトルコパンをグリルで暖め、そこにあふれんばかりの野菜と塊から切り出したヴィーガンケバブ、そしてソースをたっぷりと。もしも嫌いな野菜がある時は、ショーウィンドウを指差して伝えましょう。

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他にも、ガーリックの効いたシーズニングがたっぷりかかったフライドポテト(3.5€〜)や2種のヴィーガンバーガーも。

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「オーガニックのクオリティのヴィーガンフードをリーズナブルな価格で提供する」というコンセプトではじまったこの店は、オープン当初はもっと値段設定が低かったため、倒産しかけたこともあったそう。オーガニックフードはそうでないものの約2倍の金額がする中で、あまりお金を持っていないヴィーガンの人たちにも食べてもらえるよう、今でもお財布に優しい価格のままに。ベジタリアンやヴィーガンのお客さんが多いですが、たまに知らずに食べてから「これは何の肉?」とたずねる人もいるそう。わずか4.5ユーロで野菜もたっぷりとれるので、店はストレートエッジから小さな子供、年配の夫婦、ときどき肉も食べる人までたくさんの人に愛されています。

Author: Kumi Nagano
Photographer: Asami Uchida


Vöner Berlin

https://www.facebook.com/Voener
Boxhagener Straße 56, 10245 Berlin
tel: +49-30-99265423