100%オーガニック、100%ヴィーガン、0 %プロフィット、ボランティアのみで運営されるヴィーガンキッチン「De Peper」
前回の「Robin Food Kollektief 」に続いて、今回はアムステルダムにある複合イベント施設OT301内で18年以上も続くヴィーガン店「De Peper」のスーザン(Suzan)さんにお話を聞いてきました。
report by Ryosuke Matsuzaki
photo by Norihiko Kawai
レストランではなくヴィーガン・オーガニック・カルチャー・キッチン
「De Peperはレストランではありません。決められたメニューはありません。ウエイターもボスもマネージャーもいません。広告や宣伝も行っていません。収益も生んでいません。」入り口に書かれた彼らの声明文があります。
この場所に関わるボランティアや訪れた人々に、健康的で動物や地球環境にやさしい持続可能なライフスタイルがあることを知ってもらったり、人々と交流することによってその知識をもっと深めてもらいたいという意図が感じられます。
「De Peper」は利益を追求するレストランではなくヴィーガン・オーガニック・カルチャー・キッチンということなのでしょう。
元々スクワットムーブメントから生まれた「De Peper」
「元々は別の場所にあるスクワットからこのプロジェクトは始まったの。当初は関わっていた人々はスクワッターやアーティストがほとんどで、彼らはそんなに大金を持ってるわけではなかった。安いお金だとジャンクフードとかになっちゃうでしょ。そうじゃなくてコミュニティーのためにも安くても、ちゃんと栄養価のある食事を提供したかった。」
とても優しい語り口のスーザンさん、その言葉の端々に強い意志を感じられた。
本日のメニュー
献立は毎日変わり、みんなでいつも決めているようです。基本にスープ、メインのセット。料金は寄付制(7−10ユーロが希望のようですが、それよりも低い金額でも問題ないそうです。気持ちが大事ということでしょうね。)
本日の献立は、
・赤玉ねぎのスープ+パン
・マッシュドポテト+セロリ
・豆ときのこのシチュー
・かぼちゃとじゃがいものオーブン焼き
・ビーツと緑野菜のサラダ
・とうがらしとくるみのチョコレートケーキ(別途 1.50ユーロ)
最後に一言
本日はお忙しいところスーザンさんに案内していただきました。
「私は料理が大好き。私にとって料理はアートなの。通常のレストランだと毎日同じものを作らなければいけないでしょ。お客さんの顔が見れるわけじゃないしね。時間に追われ、何をつくるのかも決められてる。私にとってそれはクリエイティブではないし、それを続けると私の料理に対する情熱が冷めちゃうの。でもDe Peperだと自分たちで何を作りたいか毎日決められる。その日の材料で新しい料理を作ってみたりもできる。それを人々が食べて幸せそうな表情も直接見られる。ウエイターもいないからみんな自分でお皿を運んでいく。今日の料理美味しかったよ、なんて会話を交わしたり。ここで働くことで収入は得ていないけど、クリエイティブであること、料理に対する情熱を失わないことが私に取って大切なことなの。」
De Peper
https://depeper.org/
松崎了輔
10代の時に渡米、ニューヨークに留学。その後スリランカ、オーストラリア、ニュージーランド、東京、大阪、バルセロナ、インドに生活拠点を移し、2015年よりオランダ・アムステルダム在住。音楽と食べ物と人が好き。ライター/ コンサルタント/ シェフ/ 起業家
https://www.instagram.com/ryosuke_ams/